9.1 |
寝台列車「北斗星」−小樽−朝里川温泉 |
北斗星の朝 小樽 オルゴールの調べ 小樽の不思議な人達 北海道初夜 番外編 嫁日記
深夜2時頃、青森で運転停車。
ここまで道案内をしてくれた機関車、EF81−100からここでED79に変わり、青函トンネルを走り抜ける。
3時間ほど寝ただろうか。窓の外を見ると停車中。
風景からして青森であろうと思う。
そのままボーっと外を見ていると、その物音に嫁も起きたようだ。
しばらくして今度は逆向きに発車。
嫁が不思議がっているので説明を入れる。
停車中から気になっていたのだが、やはり雨が降りはじめたようだ。
4:22 函館停車。
意外なことに早朝だというのにここで下車する人が多かった。
こんなに早く降りたってどうするつもりなのだろう。
みんな函館近辺の人たちなのだろうか?
函館では約20分の停車。その間に再び機関車を付けかえる。
今度はDD51−1138と1140の重連だ。
朝も早いというのにカメラを持って連結風景を見に行ってしまう。
その時の格好はTシャツ1枚。
北海道の朝は寒い! それをひさしぶりに実感してしまいました。
北斗星にはシャワーという設備がある。
あらかじめシャワー券を購入していた私は6時30分の割り当てられた時間にシャワー室へと向かいました。
服を脱ぎ、いざシャワー券を差込むと、あれ? お湯が出ない。
脱いだばかりの服を着て、どういうことかと車掌にたずねると、すぐに直してくれた。
原因は昨夜使った人がカード差込口を詰まらせたことらしい。
このトラブルで時間を食ってしまったため、割り当てられた時間がほとんどなくなってしまったが、私の後は嫁の番である。
多少遅くなってもまあいいだろう。
シャワーの後は食堂車で朝食をとる。
窓の外はすでに北海道の景色で、嫁は牛だ馬だと喜んでいた。
札幌着は9時20分。時間はまだたっぷりとある。
南千歳を過ぎるあたりで隣の部屋のフミちゃんという女の子と友達になった。
なんでも家族で北海道に引越をするその途中だそうである。
小さな子にはありがちなことだが、よくしゃべる女の子だった。
自分や親類の名前を挙げて牛だ兎だとなんのことかしばらくわからなかったが、どうやら干支のことらしい。
ちょっとまて! フミちゃん、あんた丑年生まれだって?
14歳のわけがないから・・・ うわ、2回りちがい。
ショックだ。
そこへ通りかかった先ほどの車掌と記念撮影。
変な乗客だ。
ちなみにこの車掌から、北斗星記念グッズとして懐中時計を購入。
これが私のこの旅の記念土産となる。
札幌でひとつのメインイベントが終わり、小樽へ。
着いてさっそく最寄りの三角市場により、親類にカニを送る手配をする。
だが大宮に移り住んだ姉の住所が分からず、焦った。
店の人に事情を話したところ、後で電話をくれれば手配をしてくれるとのこと。親切な店だ。
川崎鮮魚さん、ありがとう。
用事もすんだことだし、後は小樽観光ということで、アンティークオルゴールの店「海鳴楼」に行く。
そこでは30分ごとにオルゴールコンサートが開かれていて、入場料は紅茶代として530円。
手回しのストリートオルゴールから始まって、ディスクオルゴールやシリンダーオルゴールの名品の音色を楽しんだ。
中でも面白かったのがオルゴール技術を応用した小鳥のさえずり。くちばしまで動くカラクリは優れものである。
ここで2人はオルゴールに関する基礎知識を手に入れた。
オルゴールは主にふたつのメーカーがシェアを独占していて、
そのうちのひとつオルフェウスはなんと日本のメーカなのだそうだ。
しかしながら音色を聴き比べると、やはりスイスの老舗、リュージュ社のもののほうが優しく、広がりのある音を出す。
やはり伝統あるあちらのほうに一日の長があるということか。
嫁はここで以前からほしがっていたペーパーロール式の手回しオルゴールを発見。
またディスク式のアンティーク風オルゴールを手頃な値段で見つけ、買うことに悩み始める。
だが今日は小樽に泊まることだし、時間はまだたっぷりあるわけだから、ゆっくりといいものを探すことにしよう。
昼食をはさみ、次にやってきたのは小樽オルゴール堂。
ここまでテクテクと歩いてきた。
ここでもリュージュ社のオルゴールの音色に聞き惚れる。
もう嫁の心はリュージュ社のものをなにか買っていくことに決まりかけているようだ。
ここで聴いたのは144弁のリュージュ社製オルゴール。
ちなみに弁とはオルゴールの音色を出す、櫛状の部分の数のことである。
当然数が多いほうが多彩な音を出すことができ、深みが出る。
ちなみにこの144弁のオルゴールは29万円だった。
ひとランク下げて72弁のオルゴールは9万7000円。まだ高い。
購入できる範囲としてあがったのが、34弁のオルゴール、2万9000円。
このくらいなら買えたのだが、残念なことに気に入った曲がなく、断念。
そう、オルゴールはよい製品を買うことも大切だが、曲を選ぶことも重要なことなのだ。
2人はその場で気に入った「カノン」という曲を買おうとしたが、
2万9000円のオルゴールは品切れをしていて、
木枠ではなくアクリルケースに入った1万5000円のものしか残っていなかった。
もしかしたら海鳴楼のほうに同じものがあるかもしれないと、今度はタクシーをとばして逆戻り。
海鳴楼にはその商品はなかったものの、今度は72弁のリュージュ社製オルゴール(木枠は日本製)を見つけた。
値段も3万5000円とまだ払える範囲である。
再び悩みつつ、だが気に入った曲がないこともあって断念。
さらに再びオルゴール堂へ向かい、1万5000円の「カノン」で我慢することにする。
再び小樽の地を踏んだとき、右手には10万円もってリュージュ社の72弁オルゴールを買うと誓った。
さて小樽ではオルゴールを探す以外にも面白いことがあった。
それらを順を追って話していこう。
海鳴楼を出た2人はそのまま道沿いに小樽運河を散策する。
すっかり観光名所になっていて、絵やアクセサリーを売っている人達もいた。
とりあえずお互いに運河をバックに写真撮影。
気づくと対岸の倉庫に「おれの小樽」と書かれていた。
嫁の提案でそれもバックに記念撮影。
「小樽」の部分を嫁の体で隠し、構図的には「おれの」の隣に嫁。
恥ずかしい写真の完成!
前に書いた人力車を発見し、そのまましばらく散策していると、突然地元の人に話しかけられる。
タクシー運転手の中川さんだ。
今日は非番で、小樽運河をボランティアで観光案内しているらしい。
小樽運河定番の構図を教えてもらった後、オルゴール堂やおいしい寿司屋を紹介してもらった。
中川さんに紹介してもらったルートでまずは北海道土産の卸をやっているというお店へ。
木彫りなどの定番土産を市価の半額近くで売っているというふれこみである。
一週間旅をしてそれが本当に安かったのかははなはだ疑問だが、店に入ったとたんに店のおばさんに話しかけられた。
そして頼みもしないのに商品の説明がしばらく続く。
「2人の記念になるものを買ったほうがいいよ」
というおばさんの言葉に、オルゴールを買うことをここで決意する2人だった。
昼食は小樽の寿司屋。「日本橋」
ちょっと高級そうなお店。だが値段は手頃。
しかし残念なことに、昨日の一晩中列車に揺られていたことが祟ったらしく、嫁の胃が悲鳴をあげはじめていた。
仕方なく事情を話し、「消化にいいものを」と頼んだら、
店の人のはからいで、なんと寿司でなくお粥を作ってくれた。
そこの板長さんは早田さん。握っているあいだもよく口の動く楽しい人だ。
お寿司屋でお粥を食う嫁。
お粥の梅干しと塩は私も試食したが、いいものを使っているらしく、うまい。
もちろん寿司もうまい! いくらの軍艦など、もう幸せの顔しかできないほどうまい!
小樽に来ることがあったらまたこの店で食事かな?
最後にオルゴール堂から海鳴楼、小樽駅、オルゴール堂、朝里川温泉という行程はタクシーを使った。
途中小樽を一望できる平磯公園に連れていってもらい、それから今夜の宿泊地、朝里クラッセホテルへ。
某女優の悪口を聞きながら向かいました。
宿に着くとさっそくオルゴールの音色を聞き、うっとり。
朝里クラッセホテルはスポーツ施設も備えた温泉宿。
保養所を高級にしたような感じである。
難を言えば寝間着が浴衣ではなく、パジャマだったこと。
これは温泉という感じを削いでしまっていただけなかった。
しかもセンス悪いし。
夕食も和洋中がごちゃまぜ。
刺身やもずくがでてくるかと思えば次は蒸し餃子がでて、メインにフランス料理の肉と魚でしめくくる。
それでもこれが不思議とうまいのだが・・・
メインは私が肉、嫁が魚を頼んだのだが、またここで我々は特有のワガママを言い出す。
ウエイターを呼び止め、「魚料理のソースはホワイトソースから他のものに代えられないか」と頼んだのだ。
実は2人ともホワイトソースがダメなもので、洋食屋に行くといつも確認する事項なのだ。
ウエイターの返事は、他のソースはないがソース無しならできるとのこと。
出てきた料理はコショーが効いていて、ソースにはない味になっていました。うまかったです。
さてこのウエイター、誰かに似てるんだよね。答えは内緒。写真に撮ってきたので、自分で確認しましょう。
つまり、土産話を聞きに来てということ。
夜は一日中小樽を歩き回ったこともあり、疲れが出てぐっすり寝てしまいました。
朝、北斗星で出会ったおしゃまなふみちゃん、実におしゃべり。
小樽運河ではボランティア観光案内の中川さんに写真を撮ってもらう。
お土産屋、やおら商品の解説をはじめるおばちゃん。
体調の悪い私にお粥をくれた「日本橋」寿司屋の早田さん。
(ここのお粥は絶品!普通のよりふたまわりも大きい梅干し、甘みを感じる塩、
そしてたぶん米からたいてくれたお粥。おいしかったですぅ)
オルゴール屋のはしごにつきあい、小樽絶景展望台を教えてくれたタクシーの運転手林さん。
今日はたくさんの人に出会いました。
でも観光地小樽は半日じゃとーってもまわりきれません。
例のごとく体調不良で胃薬買っちゃうしー。よよよ。
ゆーっくりまた来たいと思いました。
そう再トライよ!日本橋のお寿司めっっ。
で、この旅の記念に早々と小樽で悩んだ末のオルゴールを買いました♪
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