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児童文学 3の扉

魔女の宅急便その4 キキの恋 角野栄子/作
狐笛のかなた 上橋菜穂子/作
裔を継ぐ者 たつみや章/作
西の魔女が死んだ 梨木香歩/作
神の守り人 上橋菜穂子/作
ローワンと魔法の地図 エミリー・ロッダ/作

魔女の宅急便その4 キキの恋 角野栄子/作
福音館書店 1500円+税

コリコの町で4年目を迎えたキキは17歳。
とんぼさんは町の学校に行ったので離ればなれ。
夏休みに山へ冒険に行ったとんぼさんから、キキへ手紙が届きます。
たくさんの人との出会い、別れがあって、キキは大きくなるのです。
「ダメのつぎは、ダメじゃないわ。トンネルのむこうはいつだって光があるのよ」
「でも、ダメのつぎは、ダメってこともあるでしょう」
ジジの問いかけに、キキは前向き。
「でも永遠にダメってことはないわ。わたしは、そう思うの」

私を励ましてくれる人に出会ったかんじです。 キキがこの町にも来ないかなあなんて思う。
そしたら私も「晴れた日に、あなたを届けてください」って頼んで、
キキとお茶が飲みたいな。
2004.10.21
狐笛のかなた 上橋菜穂子/作
理論社 1500円

土地を納める長は、昔からの因縁で仲違いしていた。
湯来ノ国の盛惟は呪者を抱え、呪者は使い魔の霊狐を操り攻撃を仕掛けていた。
春名ノ国の春望は術者を抱え、術者は彼の一族を守るだけに徹していた。
そんな中、一人の少年と一人の少女が出会う。
出会うことは「運命」だったに違いない。
彼に出会ったことをきっかけに、少女小夜の生活が変わっていく。

上橋さんの新しいお話です。
見つけてはいたのですが、なかなか読む機会がなく、やっと図書館で借りました。
小夜と出会った人が、最初の時点で2人いるので、どっちが本命?
と思っていたら、意外な方が本命でした。
そしてハッピーエンド?
小夜にとっては幸せだったのだと思うんだけど なにかもの悲しい終わりかたなのです。
2004.6.28
裔を継ぐ者 たつみや章/作
講談社 1600円

すべての自然には神が宿り、人々はその恵みによって生かされている。
そんな太古の昔の物語
「月神の地上の息子」シクイルケと「かがやく尾を持つ星の息子」ポシュマ
彼らの物語から500年経ったその後のお話
ポシュマの子孫であるサザレヒコは、体が弱く狩りの練習もさせてもらえず、
兄弟達を友人達をうらやましく、また疎ましく思っていた。
ある日、兄の弓をこっそり借り、禁断の山で弓の練習をするサザレヒコが、
白いオロチに弓をたててしまった。
白いオロチはオオモノヌシの神。そして村を守る神。
その場から逃げ出したサザレヒコは、嘘を突き通すのか?

月神シリーズ4作の外伝です。
サザレヒコのすぐ人のせいにしたり、ねたんだり、いいように自己解釈してしまう思考が、
私の弟、チビっ子の年代の思考に似ている感じがして、面白く読めました。
サザレヒコが神の声を聞く者になるべく、変わっていく姿がいいです。
それを指導するポシュマがいいです!
ああ「読んでください」ってかんじ。
作者について調べていたらびっくりの事実発見。
男だと思っていたら女だった。しかも以前「秋月こお」の名前で文庫小説を書いていた。
あああ、私読んだことあるよソレ。
2004.3.4
西の魔女が死んだ 梨木香歩/作
小学館 1200円

学校が嫌だったまいはママのすすめで、お婆ちゃんの家で過ごすことになった。
お婆ちゃんは英国人で、
まいが過ごしてきた日々の生活とは、別な世界がそこに広がっていた。
そして何気なく聞かれたお婆ちゃんの問い、
「まいは、魔女って知っていますか?」
まいとお婆ちゃんの魔女修行が始まる。
魔女の肝心かなめは、何でも自分で決めるということ。
それから2年後、お婆ちゃんが死んだと連絡が届いた。

本屋さんでこの時期、出版社別に100冊お薦めの本が紹介されます。
そんな中、新潮文庫の小冊子をもらってきて、読もうと思った本がこれでした。
文庫も安いけど、とりあえず図書館で借りて読んでみようと思って、さっそく読む私。
話は平凡な毎日の生活が綴られているだけで、 魔女と言ってもどこが魔女なの?
と思いながら読んでいったラスト
ああ、やっぱりお婆ちゃんは魔女だったんだ と分かります。
どういうふうに魔女なのか、どういうふうに分かるのかは、読んでのお楽しみね。
ひさしぶりに泣いた作品でした。
2003.7.22
神の守り人 来訪編・帰還編 上橋菜穂子/作
偕成社 各1500円

タルマハヤ<おそろしき神>を信仰するタルの民の兄妹、
チキサとアスラは ロタ国王家に仕えるカシャル<猟犬>のスファルに追われていた。
女用心棒バルサと呪術師タンダが彼らに出会ったとき
少女アスラに「災い」の気配を感じ取る。
ロタ王国建国にまつわる伝説は、どれが正しい言い伝えなのか。
古き盟約によって均衡を守っていたロタ王家とカシャルとタルの民。
国の行く末を案じるように駒を動かす者がいる。

でました!守り人シリーズ新作!しかーも女用心棒バルサの話で2冊組。
発売を知ったときは狂喜乱舞。さっそく図書館に予約してそしてしかられました。
「新刊は発売1ヶ月前からの予約受付となります」・・・はい。
そして待った図書館からの電話!(買えよ)しかし最初は来訪編だけの貸出し。
そんなー2冊揃ってから読みたいわと思って、ちょっと放って置いたらまた電話が来ました。
これで一気読みです。
おもしろかった。一気読みで疲れたけど。
そしてあらすじ書こうと四苦八苦です。うまく話が伝えられないほど物語は奥が深いのです。
こんなにおもしろいのに誰か読んでおくれよ。おもしろさを分かち合おうよ。
2003.3.11

ローワンと魔法の地図 エミリー・ロッダ/作
あすなろ書房 1300円

リンの谷に住むローワンは、村一番の臆病者。
ある日、リンの谷の川の水が干上がってしまった。
川の水を飲むバクシャーの世話係をリンは、
大好きなバクシャーのため原因を突き止めに、竜が住むという山に登る勇者の1人として選ばれた。
7つの心が旅をする 7つの道で心はくだける
眠りが死であり 望みが消え去るとき
もっとも勇敢な心1つが進みゆく
そんな予言と魔法の地図を手に、ローワンは真実を見つけ村に帰ることができるのか。

気になっていた作品だったので、暇を見て読んでみました。
面白いんだけど「本半分も読んだのに、まだこれしか話が進んでいなくて終わるのか?」と
別の意味でハラハラした作品です。それは2巻も3巻も一緒でした(笑)
もう少し物語に厚みがあったら、もっと面白くなるのではないかなーと思います。
ランクとしてはダレンシャン並みの児童文学です。小学生中学年向き。
早く「神の守り人」の予約電話が来ないかなー
2003.1.30

以下続刊:
ローワンと黄金の谷の謎
ローワンと伝説の水晶
ローワンとゼバックの黒い影