9.4

川湯温泉−硫黄山−摩周湖−多和平−釧路


キツネとミンク
すごいぞ北海道!
釧路の夜は・・・昨日と同じ
番外編 嫁日記

キツネとミンク

早く寝たからと行って早く起きるわけではない。
何時に起きたのだったか。
すでにすずらんが放送されていたのだから、8時半は過ぎていたはず。
他の客と違い、とてつもなくのんびりな2人である。
その証拠に朝風呂へと向かう廊下では、何人もの支度を終えた客とすれ違った。
洋服に着替えて大荷物を持った人達の間をすり抜け、浴衣のままタオル一枚だけ持った我々は大浴場へと向かう。
昨日風呂にも入らず寝てしまった嫁は、これがはじめての川湯温泉である。
ロビーにおりて階段を下りた半地下のようなところに大浴場はあり、右手が男湯、左手が女湯だった。
その配置は昨日と変わらず。いまいち満足度の低い温泉である。
ところがあとで嫁の話を聞くと、女湯のほうはとても大きくけっこうよかったらしい。
最近流行の女湯が大きい湯かというと、そうではない。
ここ数日の温泉三昧で私もはじめて知ったのだが、
最近は大小ふたつの湯を作って、時間によって男女を入れ替えるのが主流らしいのだ。
これによって夜はあっちの湯、朝はこっちの湯と楽しめることができるようになっているのだが、
そういえば昨日チェックインの時、入れ替え時間は夜8時半と言っていた。
つまり私が昨日湯に入ったのは9時半。
男湯はその時点ですでに小さい湯になっていて、 朝もそのまま小さい湯だったということになる。
何か大きく損をした気分。

湯から上がり、着替えるとすでに9時半。
チェックアウトの時間も迫っていたが、まだ朝食もとっていないので食堂へと向かう。
やはり誰もいない。 旅行というとみなさんは何時に出発しますか?
日本人の旅行はどうも忙しそうですよね。
とくに朝は起きたら朝風呂に入って食事をとって着替えてチェックアウト。
それを連続テレビ小説が終わるまでに完了して、その日一日詰め込めるだけものを詰めて、見て回る。
そんな旅行が主流なようです。
とくにパックツアーなどはその傾向が顕著ですね。
せっかく温泉地に着ているんだから、朝はのんびりしましょうよ。
というわけで、私の朝食はとくにノンビリである。
食前にオレンジジュースを一杯。食後に牛乳を一杯。そして嫁と一緒にお茶を一杯。
もう誰もいない食堂。給仕のおばちゃんも「ゆっくりしてってください」と言いながら片づけが進む。
そんな中のんびりとした出発を我々は心がけたのです。
でもコーヒーもいただこうかと思ったのは、さすがに腹がストライキをおこすかもしれないのでやめました。

時間いっぱいの10時にチェックアウト。でもそれで我々の川湯温泉は終わらなかったのです。
荷物を車に詰め込んだあと、そのまま車には乗らず川湯の街をぶらぶらと散歩に出かけました。
朝の温泉街はさっぱり人がいなくなっていました。
店の人に聞くとなんでもすでに街が活気を持つ時間は既に過ぎているのだそうだ。
なるほど、温泉街での稼ぎ時は皆が到着した後の夜と出発する前の朝に集中するということだ。
我々はのんびりしすぎたために、もうすでに大半のお店が休みに入ってしまったのだ。
すでに活気のさめた街を歩くと、店先に飼われている犬を発見。
それに惹かれるように近付いていく犬好きの2人・・・ と思ったらなんか違うぞ?
あ、こいつキツネだ!
すっかり人に飼われて人間になれてしまったこのキツネ。
近付くと嫁の足になつくなつく。
しばらく体をすり寄せて、相手をしてくれないと分かるとプイと離れ、後ろ足で顔をかく。
もう完全に犬です、こいつ。
その隣には篭に囲まれた中に飼いミンクを発見。
なかなか珍しいものを見せてもらいました。
ところでキツネって触るとなんかまずいんじゃなかったっけ?
病気を持っていたような気がするが・・・

川湯の街ではお互いの両親にお土産を購入。
木の湯飲みとご注文のアイヌ人酋長の木彫り人形。
木彫り人形はあれこれと悩んだあげくの一品です。
職人からも話を聞いて、お薦めのフクロウを勧められたのに、結局酋長になりました。
しかも彼の作品ということで大安売りです。


すごいぞ北海道!

この日はまさに北海道堪能デーとなった。
次から次へと現れる北海道ならではの風景。 すごいぞ北海道!
さて川湯の森を抜けるとすぐに硫黄山を発見。
ここは当初予定に入っていなかったものの、時間もあったので見に行ってみることにする。
ここは岩石むき出しなところに温泉の湯気が硫黄とともに噴出している、かなり荒々しいところだ。
といっても危険なところというわけではなく、観光客もいっぱいいる。
駐車場利用410円を払って見学である。
今日もまた日差しが強く、それが硫黄山の白い土に反射してとてもまぶしい。
そんな岩場をしばらく登り、蒸気の激しく吹き出すところで写真を一枚撮った。
蒸気の向こう側にまわって、湯気に包まれたように見せる構図を撮ってもらおうと思ったのだが・・・
いざ撮影にかかろうとしたら、風向が変わってさあ大変。
熱い蒸気が私を包む。
しかも蒸気のせいでなかなかピントも合わず、シャッターチャンスがなかなかつかめない嫁。
結局、本当に熱がっている自分の写真が残ってしまいました。
いや、本当に熱かったです。

硫黄山を出ると次は摩周湖。
摩周湖へと続く道はちょっとした峠道のようで、
山の上へ登り、そして下りるこの道道52号は弥彦山スカイラインを思い起こさせる。
これが有名な「霧の摩周湖」であるが、今日はとてもよく晴れていい天気だ。
後の釧路でタクシーの運転手に聞いたところ
やはり摩周湖は「霧の摩周湖」であるらしく、霧が晴れることはほとんどないそうなのだが、
私がここを訪れた計三回はいずれもいい天気だったのはどういうことだろう?
湖面に空と雲と、そして正面に見えるカムイヌプリがきれいに映っていた。
もちろんそれらをバックにそれぞれの写真を撮ったのだが、どうもしっくりこない。
どうやら我々は一般的な観光名所は似合わないということらしい。
だからすぐに違うことに興味が行ってしまうのはしかたのないことで、
今日も摩周湖を無視して、何か人溜まりのできているところに興味が行ってしまった。
そこにいたのはリス。
どうやら観光客にすっかりえづけされてしまっているらしく、完全に人になれているようだ。
必死にひまわりの種を食べている姿はとてもかわいいが、
まわりに散らばる殻の数を見ると、君たち食べ過ぎです。
さて我々も落ちているひまわりの種を拾ってリスにやってみると、彼らは不用心にも手の上に乗ってくる。
その軽さに驚くと同時に、だからこそこれだけ大量に食べた物がどこにいくのか不思議になった。
頬袋はすでに満タン。それでも食う食う食う。ひたすら食う。
ところで我々もそろそろお昼の時間なのだが、嫁の希望で肉を食うことになった。
私はここで揚げ芋を食べたのだが、だんご3兄弟の影響か小さいじゃがいもが三つ串に刺さっていた。
なにかちょっと違和感。 やっぱり揚げ芋は大きいじゃがいもがふたつでないと。
さらにここにも食堂はあったのだが、まあ味は予想できる程度だろうし、
肉ということになれば街に下りた方がよかろう。
下りてすぐの弟子屈の街に向かった。
釧網本線摩周駅でおいしい肉が食べられる店を紹介してもらい、その店に向かう。
さてここは弟子屈という街である。
なのに駅名は摩周。 たしか数年前に観光誘致の目的で駅名を変えたとか。
摩周という名前のほうが通りがいいのはたしかだが、地元としてはどうなのだろうか?
土地の名前に対する誇りより、観光収入の方が大事かな?
話はそれましたが、肉はいまいちでしたので店の名前は伏せておきます。

弟子屈を出たところで国道243号そして道道1040号。
いよいよ嫁の希望である大草原展望、多和平へ。
あまり観光客には知られていない、穴場的なスポットである。
そこもまたすごい。
雄大! 広大!
あれ? このフレーズ前にも使ったような気が・・・ あ、美幌峠の時ね。
じゃあ変更。
牛だ! 馬だ! 羊だ! 草原だ! 広いぞーーーーー!
とても写真には収まりきらないその景色。
とりあえず嫁を入れて撮ってあげたが、とてもそれでは足りません。
なので嫁には北を指差してもらい、東西南北4連写。
四方に広がる草原をそんなふうにして収めてみました。
でもやっぱりこの広さは説明がつきませんね。
何度でも行きたいところです。(ちなみに私はこれが二回目)
多和平は町営牧場ということで牛や馬、羊などが放牧されていて、
柵越しではあるものの馬を間近に見て、嫁は大喜び。 と思ったらそうでもないみたい。
なぜかと訪ねたところ、牛や馬や草原はここに来るまでにもいっぱい見たからとのこと。
なるほど、この風景はここだけの風景ではなく、北海道では当たり前の風景だということだ。
展望台で階段を登ってくる小さな女の子の何気なくカメラを向けると、女の子は「はずかしいよ〜」を連発。
お父さんは女の子を見下ろしているため上にいる私に気付かないようで、女の子のその言動の理由がわからない。
「はずかしくないよ」「はずかしいよ〜」を2人で繰り返す。
おもしろいです。
女の子の名前は「マイコちゃん」、それとも「マユコちゃん」かな?

多和平を去り今度は国道391号へと合流するが、その合流点である磯分内で村祭りに遭遇。
これも何かの縁と思い寄ってみると何とも言えない懐かしい祭りだった。
出店の種類も懐かしい。 新潟の祭りではすっかり見なくなった型抜きがあったり、なぜか地元の商店が野菜を出していたり。
「バナナ買わない?」とか言われ、覗いてみるとけっこう安い。
でも旅の途中でバナナ買ってどうするんだ?
けっこう房も大きく食べ切れそうにないのでやめました。
その神社の神様は天照大神だそうで、話を聞いていたら御神酒をごちそうになりました。
銘柄は忘れてしまいましたが、なかなかおいしかったです。

磯分内からはドライバー交代。
この旅ではじめて嫁がハンドルを握る。
北海道の気持ちいい道を見ていて、ぜひ運転してみたかったのだそうだ。
私は助手席に座り、走行中のカーナビ君と嫁をカメラに収めたりしていたのだが、後で気付いたことがある。
運転中のドライバーの写真は唯一これ一枚で、私の写真がない。
まるでずーっと嫁が運転していたかのように見えますな。

標茶を過ぎたあたりで右手に釧路湿原が見えてくる。
しばらく眺めているとなにか白いものが飛んでいる。 あれはもしかして丹頂鶴?
二羽が寄り添って優雅に飛んでいた。 その白い姿は夕日で輝く湖面にはえてとてもきれい。
ドライバー代わっておいてよかったー。


釧路の夜は・・・昨日と同じ

釧路の街に入る前に再びドライバー交代。
そうしたら夕方ということもあり、とたんに渋滞に巻き込まれた。
へー、北海道でも渋滞があるんだ、と感心しました。
釧路の街でも道に迷いながら、それでもカーナビ君のおかげでなんとか今日の宿に到着。
釧路全日空ホテル。港を望むところに立つ、豪華なホテルだ。
実はこのホテルではぜひやろうと思っていることがひとつある。
それは最上階のスカイバーでおしゃれなお酒を飲むこと。
そのためにおしゃれな服をわざわざここまで持ってきたのだ。
なぜか我々は、そんなところで2人でお酒を飲みながら相手をくどくといった経験が一度もない。
せっかくの旅行。温泉でのんびりばかりでなく、おしゃれな思い出もひとつくらい作らなくちゃ。
でもその前にカーナビ君を返してこなくてはと一度チェックインして再び釧路の街へと向かう。
またうろうろしながらもマツダレンタカーへ。 これでカーナビ君ともお別れである。
借りたときはなにやらあれこれと手続きが多く、時間がかかってうんざりしたのだが、 返すときは実にあっさりしたものである。
事務所に顔を出し、所員が車を一回りして軽くチェックしただけで終わり。
三日間の我々のお供、お疲れさまでした。

すぐ向かいの長崎屋により、2人の軽い用事を済ます。 時計の電池交換と、フィルムの購入である。
実はこの時点ですでに7本以上のフィルムを消費。 けっこう北海道を撮った。
これが最終的には9本にまで記録を伸ばす。
撮りすぎというわけではないが、現像代がどうなるかが心配だ。

ホテルでの食事はフランス料理のコースである。
フランス料理ということで二人して多少不安があったが・・・
うまかった〜〜〜
では料理の紹介。
1品目−フォアグラの前菜。フォアグラをはじめて食べた。
2品目−スープ。ホワイトソースが食べられないいいいい。
3品目−ホタテ、カニを鯛に乗せて焼いたもの。うまいんだこれが。
4品目−洋梨のシャーベット。
5品目−肉料理。うまいぞーー。
6品目−ケーキ、フルーツ、アイスのデザート。

何度も書きます。多くの言葉なんて必要ありません。
「うまかった〜〜〜〜」
とくに5品目の肉料理。これはいい。もう一度来てもう一度食べたい。
またウエイターのサービスもいい。
2品目のスープを2人で残したら、 「お口に合いませんでしたか?」と聞き、少しの会話で和ませる。
いいおじさんでした。
5品目の肉料理はさすがにメインディッシュだけあって絶品で、 もう一度来てもう一度食べたくなる味でした。
でも残念なことがひとつだけ。
お昼も肉だった・・・
ああ、こんなことならお昼を別にものにして、この料理をじゅうぶんに堪能すればよかった。

部屋に戻り、用意しておいたおしゃれな服に着替えてバーへ。
と思っていたのですが・・・
あれ? 体が動かないぞ?
あれ? 意識がなくなっていくぞ?
あれ? なんで?
あれ・・・・・・

どうやらそういったおしゃれなお店には二人して縁がないらしいです。


嫁日記 番外編

温泉街で飼いキツネを発見!
なんか犬みたいだけど、痩せててしっぽが長いってことは、まさかキツネ?
なーんて思ったら、まさかでした(笑)
温泉街を出発すると、温泉なだけに硫黄山発見。なんかすごくまぶしくかったよ。
まぶしいといえば!
2・3日腕がかゆくて虫?なんて思ったんだけど、ここにきて日焼けと分かる(笑)
新潟では日焼けなんてしなかったのに、こっちは日差しが強いのかな?
空気がきれいなのと関係があったりするのだろうか。疑問である。
でも日焼けなんて健康的♪
さて、摩周湖のリスを見たあとで多和平で馬と牛と羊を見る。
ここもものすごく広いの。飽きるくらい(笑)
お昼に肉食べてきたのに、ここのレストランに肉料理があるのを発見して悔しがる私。
でも結局夜のコース料理においしい牛肉が出て、消化不良をおこしてた私はまたまたショック。
いーもん丹頂鶴見つけたの私だもん、運転中でじっくり見れなかったけど。


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